縛られていた「彼女らしさ」がほどけるまで——Jさんの2ヶ月間

はじめに

前回の記事では、Jさん(40代女性)がご自身の言葉で体験を語ってくださいました。

今回は、私の視点から見たJさんの2ヶ月間をお伝えします。

初めて来院されたとき

Jさんは、いくつもの不調を抱えて来院されました。

長年の重い生理痛。ひどいときには何もできなくなるほどで、定期的に治療を受けていた頭痛。最近ふえてきた忘れっぽさとイライラ。眠りにつくのに時間がかかるようになったこと。アレルギーでお薬を続けていること。朝、背中が痛いことが多いこと。健診のたびに指摘される貧血傾向。

ひとつひとつは別の症状に見えますが、初めてJさんの身体に触れたとき、私にはこう感じられました。心と身体のつながりがスムーズにいっておらず、水分をはじめ、身体全体の巡りと代謝が静かに滞っている——バラバラの7つの症状ではなく、ひとつの身体が長い時間をかけて抱えてきた、ひとつのパターンとして。

Jさんの希望は「症状を軽くしたい」、そして「お薬を減らしていけたら」ということでした。お薬のことは主治医の先生と相談しながら、私は私にできること——アジャストメントを通じて神経系への干渉を取り除き、精神と身体が上手くつながり、本来のチカラが十分に表現されるようサポートすること——に集中する。そんな2ヶ月間の始まりでした。

変化は、静かなところから始まった

週に一度の来院を重ねる中で、最初に変わり始めたのは、症状そのものではありませんでした。

子育てをしながら、できる範囲で食事と向き合うというJさんご自身の頑張りもあって、栄養が以前よりもしっかり身体に届くようになっていきました。すると、身体のリズムが少しずつ整い、感情の波が穏やかになっていったようでした。

面白いのは、その変化に最初に気づいたのが、Jさんご本人ではなく、ご家族だったことです。

旦那様とお子様にとって、生理の期間にJさんの感情が激しくなるのは「当たり前の風景」だったそうです。その当たり前が、いつの間にか変わっていた。ご本人が気づくより先に、一番近くにいる人たちが気づいた変化——私はこれこそが、本物の変化だと思っています。

「生理がめっちゃ楽!」

ある日のアジャストメントルームで、Jさんが笑顔で話してくれました。

「生理がめっちゃ楽!」「頭痛がなくなってびっくり!」

その言葉と表情を、今もよく覚えています。数ヶ月前まで、月の半分近くを体調不良の中で過ごし、頭痛で何もできない日もあった方の言葉です。

私が治したのではありません

2ヶ月間を振り返って思うのは、Jさんの不調の一番大きな要因は、どこか特定の場所の問題ではなかった、ということです。

社会生活、母親としての役割、家族のための毎日——たくさんの「こうあるべき」が重なる中で、本来の彼女らしさが、長いあいだ縛られていた。その縛りが、心と身体のつながりを滞らせ、いくつもの症状として現れていたのだと思います。

私が治したのではありません。回復していくチカラは、誰の中でも、いつも働いています。アジャストメントを通じて干渉が取り除かれ、精神と身体がつながり直したとき、Jさんの中でずっと働いていたそのチカラ——身体の声を聴き、必要なものを選び取り、回復していくチカラ——が、最大限に発揮されるようになった。そして、Jさんはその変化をご自分の生活の中で、ご自分の努力で育ててくださいました。

Jさんは今、当オフィスには通われていません。症状が落ち着いたところで一区切りにする——それも、ひとつの選択です。

ただ、当オフィスのカイロプラクティックは、症状が出てから利用するものというより、一人ひとりに潜在する能力が発揮される状態を保ち、ご機嫌で毎日を過ごす人生をサポートするものとして利用していただくことをおすすめしています。症状が教えてくれるのを待つのではなく、常にご自身の中に意識を向けていく。Jさんが受け取った「体は何を欲しているのか見えてくる」という感覚は、まさにその入り口です。扉はいつでも開けて、お待ちしています。

むすびに

「長年の不調は当たり前」と思って、あきらめている方へ。必要なものが取り入れられ、めぐり、いらないものが手放されていく——身体の流れが整うと、毎日は思っている以上に穏やかでいられるのかもしれません。

気になる症状がある方は、まず医療機関での検査・治療を大切にしてください。そのうえで、「検査では大きな問題はないのに不調が続く」「身体全体を見てもらいたい」という方は、一度ご相談ください。

※体調の変化には個人差があります。