耳の詰まりが、何ヶ月も続いたら…。音がこもって、一日中、耳のことが頭から離れない。そんな状態を想像してみてください。
今回は、耳の詰まりをきっかけに当オフィスへいらっしゃった、78歳の女性・Eさんのお話です。
Eさんの耳の詰まりが始まったのは、来院の7ヶ月前。耳鼻科でお薬の治療と、鼓膜を切開して溜まった液体を抜く処置を続けていらっしゃいましたが、詰まりの感覚はなかなか変わらず、辛い日々が続いていたそうです。聴力には問題がないとのことでしたが、「耳がボワーンとして、気になって気になって仕方ない」——来院された頃のEさんは、何度もそう話していらっしゃいました。気持ちも下がり、やる気も出ない。覚えられるはずのことも忘れてしまい、「認知症になったのかしら」と困惑するほどだったといいます。

そんな中、ご友人から当オフィスのことを聞いたEさん。「アナタのチカラ」という名前を耳にした瞬間、「これだ!」とピン!ときたのだそうです。首筋の痛みも抱えていらっしゃいました。血圧が高めで、コレステロールのお薬を長く服用されてきた経緯があり、骨粗鬆症のお薬も服用されています。
アジャストメントの経過の中で印象的だったのは、顎の関節が片側へ大きくずれる動きがみられたことです。顎は、耳のすぐお隣にある関節。この顎まわりの緊張が、耳の奥の巡り(代謝)を滞らせることにつながっていたのかもしれません。

初回と2回目では、身体の仕組みについてお話ししました。Eさんには腰椎の圧迫骨折や骨粗鬆症もあるため、骨と身体を育てる毎日の食事について、しっかりと時間をかけてお伝えし、Eさんもできるところから食事を見直されました。1〜3回目の経過では、まず睡眠がよく取れるようになり、首筋の痛みが気にならなくなっていきました。それでも耳の詰まりはまだ残っていて、「やっぱり耳が辛い」と。
変化が訪れたのは、4回目のアジャストメントの後でした。
「あれっ、なんか耳が楽かも?」
そして5回目には、「気にならなくなってきました」と、笑顔で話してくださいました。
なにより印象的だったのは、心の変化です。あんなに困惑していた物忘れの感じもすっかりなくなり、今では表情も声も明るく、ご自分の感じていることをのびのびと話してくださるようになりました。
自信や集中力が失われていくと、ご自身の思考を明るく前向きに保つことは、誰にとっても難しくなります。やりたいことができなくなり、いつまでも不快な箇所が残っている——そんな日々が続けば、これからの人生に「あきらめ」が増えていってしまうのが自然なのかもしれません。だからこそ、Eさんの笑顔と自信が戻ってきたことを、本当にうれしく思っています。
身体は、一番気になる症状から順番に変わるとは限りません。眠りから、首筋へ、そして耳へ。Eさんの身体は、Eさん自身のペースで、内側から整う道筋を選んでいったように感じます。
耳の中に見える、身体の「幾何学」
記事の冒頭でお見せした、耳の中の画像を思い出してみてください。
耳の奥には「蝸牛(かぎゅう)」という、巻き貝のような渦巻きの構造があります。この美しいらせん形は、自然界のいたるところに見られるパターンと同じもの——ひまわりの種の並び方、貝殻の渦、台風の渦巻き。実は私たちの身体の中にも、こうした自然の「幾何学(きかがく)的なパターン」がたくさん存在しています。
骨の配列、関節の角度、筋膜のつながり方——これらはすべて、ある一定の幾何学的な秩序の中で調和しています。この調和がうまく保たれているとき、身体の中を流れる液体や神経の信号は、スムーズに巡ることができます。
当オフィスで行なっている Bio-Geometric Integration®(BGI)は、まさにこの「身体の中の幾何学」に着目したアプローチです。名前を分解すると、「Bio=いのち」「Geometric=幾何学」「Integration=統合」。身体がもともと持っている幾何学的なバランスを整えていくことで、本来のスムーズな動きや流れを取り戻し、身体が自分自身を癒すチカラを十分に発揮できるようサポートしていきます。
Eさんの耳では、中耳に液体が溜まり、うまく巡らない状態が続いていました。アジャストメントを重ねる中で、身体全体のバランスが少しずつ整い、耳まわりの組織や液体の巡りにもスムーズさが戻っていった——あの「あれっ、楽かも?」は、身体の内側で流れが回復し始めた瞬間だったのかもしれません。
精神と身体がうまくつながり、本来のチカラが十分に表現されていく。Eさんの経過は、まさにそのプロセスそのものでした。
自らの中に備わっているチカラを体験し、理解したとき、みなさんはきっと、以前よりもずっとご自身の可能性に気づくことになると思います。Eさんがオフィスの名前に感じた「これだ!」は、Eさん自身のチカラが最初に上げた声だったのかもしれません。
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※感じ方や経過には個人差があります。気になる症状は、医療機関の受診と併せてご相談ください。



