【薬の専門家が出会った、もうひとつの道】——Cさん(50代・女性・薬剤師)の5年

来院のきっかけ

薬剤師が処方箋と薬を確認している様子

Cさんが初めて当オフィスを訪れたのは、ご友人のご紹介がきっかけでした。2021年11月のことです。

実はCさんは薬剤師で、ご家族も薬に関わるお仕事をされています。薬の効果も、その限界も、誰よりよくご存じの立場でした。長年、いくつもの薬や漢方とともに過ごしてこられた方です。

来院の直接のきっかけは、ひどく痛む五十肩でした。けれどお話を伺っていくと、肩だけでなく、長年にわたっていくつもの不調を抱えていらっしゃることが分かってきました。

  • 2年ほど続いていた右肩の痛み、四十肩・五十肩
  • 左膝の違和感(階段を登るときに、関節が「抜ける」ような感覚)
  • 更年期の症状(ホットフラッシュ、関節痛、寝付きの悪さ)——とくに夏がつらい
  • 数年に一度のギックリ腰
  • 頭痛、めまい
  • 不眠(当初は夜中に3回ほど目が覚めていた)
  • スギ・ブタクサの時期の花粉症(鼻詰まり)
  • 小学生の頃から続く歯軋り

当時は4種類の漢方薬を使われていて、健康診断では視力と腎機能の低下も指摘されていました。ご自身では「消化があまり得意ではない」とも感じていらっしゃいました。

そして何より印象的だったのは、Cさんが描いていた目標でした。「健康年齢を伸ばしたい」「頭も身体も元気なまま、自分のことは自分でできる自分でいたい」、そしていつか「またヨガやコーラスを楽しみたい」。不調をなくすことだけでなく、その先にある”なりたい毎日”を、はっきりと見据えていらっしゃいました。

カイロプラクターとして感じたこと

Cさんの心とお身体に向き合わせていただくなかで感じたのは、長い年月をかけて積み重なってきた経験や緊張がパターンを作り出し、それらが全身に深く根づいているということでした。ひとつひとつの不調は別々のものに見えても、心と身体はすべてが繋がっており、記憶もしています。肩の痛みも、更年期のゆらぎも、眠りの浅さも、どこかで地続きでした。

当オフィスのアジャストメント(全身の神経を整え、眠っている/蓄積されているエネルギーを解放するカイロプラクティックの施術)は、回数を重ねていくとより一層ヒーリングが進み、心と身体のより深い層までアプローチできるようになると、解放されるものも多くなって行きます。

Cさんの場合、とくに印象的で大きな解放が、これまでに3回ほどあった様に思います。そうした深い部分へのアプローチがあった日は、Cさんご自身も「今日のアジャストメントは、いつもと何か違う」と感じ取られていたように思います。その節目を越えるたびに、表面の緊張だけでなく、奥深くに根づいていたパターン——身体だけでなく、思考や思い込みのパターンも——がゆるみ、消化・吸収をはじめとする全身の質が、一段、また一段と引き上がっていったように感じています。

カイロプラクティックが大切にしているのは、症状の「部位」を個別に何とかすることではありません。身体全体のバランスと神経の流れを整えることで、その方の中にもともと備わっているイネイトインテリジェンス(生命本来の自然治癒力・適応力)が、最大限に発揮される状態を取り戻していくことです。

イネイトインテリジェンスとは自然治癒力や免疫力だけではなく、身体と心の調和を保つために、あらゆる変化に適応するチカラです。

アインシュタインの言葉にあるように、”The measure of intelligence is the ability to change”——「知性の尺度とは、変化する能力である」。変化は成長に不可欠ですが、痛みや困難を伴うため、私たちは変化を避けることがあります。カイロプラクティックケアは、心と身体が変化を受け入れ、適応するプロセスが上手くいく様にサポートしているのです。

また、Cさんの場合、定期的なアジャストメントを続けるとともに、必要なタイミングで食事についてもお伝えし、ご本人も少しずつ食生活を見直していかれました。身体が整う土台と、それを支える生活のリズム。この両輪が回り始めたことで、変化は加速していったように思います。

今までのパターンを見直し、ご自身にとって必要のないものは手放していく選択をされたことは素晴らしいと思います。これには段階もありますし、時間も要するため、迷いもあったと思います。

そして何より、肩の痛みが落ち着いたあとも「良い状態を保つために通う」という関わり方を選ばれたこと。痛くなってから対処するのではなく、整った状態を育てていく——その選択が、Cさんのその後の5年を大きく変えていきました。

5年で起きた変化

身体の変化

肩・腰 通うきっかけだった肩の痛みは、ほどなくして気にならなくなりました。それまで数年に一度はあったギックリ腰も、この5年間で一度もなくなったとのことです。

花粉症・目 毎年手放せなかった花粉症の薬や、さしていた目薬が、いつの間にか必要なくなっていきました。

頭痛・めまい・耳鳴り・不眠 頭痛やめまい、耳鳴り、そして夜中に何度も目が覚めていた不眠も、少しずつ和らぎ、今ではほとんど感じなくなったそうです。「気がつけば、薬を飲むこと自体がなくなっていました」と話してくださいました。

視力 健康診断で低下を指摘されていた視力にも変化があり、メガネを作り替えるほどでした。

全身 以前よりずっと疲れにくくなり、身体が軽くなった感覚があるとのこと。長年頼ってきた漢方も、手放せるようになっていきました。

食習慣の変化

最初の食事指導では、小麦・砂糖・乳製品などを控えめにし、タンパク質・発酵食品・良質な脂質をしっかり摂ることをお伝えしました。

はじめは、大好きだったパンや麺類がなかなか手放せませんでした。ご本人いわく「控えようと努力しても、食べたい気持ちが勝ってしまった」時期で、ちょうど不調が頻繁に出ていた頃でもありました。

けれど続けるうちに、少しずつ量が減り、やがて「食べたい気持ちそのものがなくなった」とのこと。今では身体に合わないものを口にすると、お腹を下したり眠くなったりと、身体が正直に反応するようになり、以前は美味しいと感じていたものも、それほど魅力を感じなくなっていったそうです。自然と、身体に良いものを自ら選び取るように変わっていかれました。

整った身体が、本来の感覚——自分にとって必要なものを選ぶ力——を取り戻していった過程だったように思います。

マインドの変化

身体の調子が整ってくると、Cさんは気持ちの変化にも気づかれていきました。

「気がつけば心が安定していて、以前の自分とは別人のよう」。体調の心配が減ってくると、自然と自分自身に向き合い、「これからどう生きたいのか」を考えられるようになっていったそうです。

そして、かつて「またやりたい」と願っていたコーラスを、Cさんは実際に再開されました。健康を取り戻したことで、もう一度歌う日々が戻ってきたのです。今は週に1回のペースで通われていますが、それは不調を治すためではなく、「コーラスをこれからも続けて、もっと学びを深めていきたいから」。歌うことを軸に、まだ見ぬ自分の可能性を広げていく——そんな前向きな思いで通ってくださっています。

薬の専門家として

Cさんは薬剤師で、ご家族も薬に関わるお仕事をされています。長い間、いくつもの薬や漢方とともに過ごしてこられました。

施術を重ねるなかで私が感じたのは、薬を知り尽くしたプロフェッショナルだからこそ、Cさんは「薬で症状を抑える」その先にある手応えを、どこかで求めていらしたのではないか、ということです。これはあくまで施術者である私の印象ですが、薬を扱う立場の方が、薬に頼らずとも元気でいられる状態に近づいていかれた過程は、私にとっても忘れられないものになりました。

ご本人は、当時をこう振り返ってくださっています。

私は薬剤師で、家族も薬に関わる仕事をしています。長い間、いくつもの薬や漢方に頼ってきました。それでも、カイロプラクティックに通って身体が整っていくうちに、気がつけば、薬を飲む必要がなくなっていったんです。薬を扱う自分が、薬に頼らなくても元気でいられるなんて、思ってもみませんでした。

— C(50代・女性・薬剤師)

そして、初診から現在までを振り返ったご本人の言葉が、こちらです。

5年ほど前、五十肩の痛みがひどく、友人の紹介で通い始めました。施術を定期的にしていただくほか、不調が出たらその度に施術していただき、食事指導も必要な時にしていただいて、食生活も少しずつ変えていきました。

ほどなくして、通うきっかけとなった肩の痛みはなくなりました。継続して受けていったほうが様々な不調が出にくくなると聞いて、その後も定期的に通うことに。

それまで年に何度かギックリ腰になっていたのが、この5年間は一度もなくなりました。花粉症の薬を飲まなくても大丈夫になったり、目薬が不要になったり、疲れにくくなったり。頭痛、耳鳴り、めまい、不眠などの不調も少しずつなくなり、今では全くと言っていいほどなくなって、薬を飲むこともなくなりました。

気がつけばメンタルも安定して、以前の自分とは別人のようになっていました。不調がほぼ出なくなってくると、自分と向き合うようになり、どんな人生を送りたいのか、何をしていきたいのかを考えるようになりました。

その中でやりたいことが見つかり、今はそのことでレベルアップしていきたいので、週に1回施術していただいています。同年代の友人は不調に困っている人が多いですが、私は今が一番元気だし、毎日が充実しています。この状態をできるだけ保ちたいので、これからも定期的に施術していただこうと思います。

考察——身体の中で起きていたこと

5年間の変化を振り返ると、その背景には、神経系を起点とした全身のつながりの回復があったのではないかと考えています。

カイロプラクティックによって全身に広がる神経の流れが整っていくと、身体の各器官に届く情報や働きかけも変わっていきます。Cさんはもともと「消化が得意ではない」と感じていらっしゃいましたが、神経の働きが整うにつれて消化・吸収の力が高まり、摂った栄養が本来の形で全身に行き渡るようになっていったのではないか——そう推測しています。

身体が必要なものをきちんと受け取れるようになると、回復力や適応力が発揮されやすくなります。数々の不調が和らいでいったことも、健康診断で指摘されていた視力が改善し、メガネを作り替えるほどになったことも、こうした全身の底上げの結果として現れたものではないかと考えています。

薬の専門家であるCさんが、薬を手放していけたという事実は、私たちにとっても大きな意味を持っています。けれどそれは、「薬が不要だ」という話ではありません。薬は、必要なときに私たちを支えてくれる大切な存在です。Cさんの場合は、身体が本来の力を取り戻していくなかで、結果として薬に頼る場面が減っていった——そう受け止めています。

カイロプラクティックの本来の目的は「痛みを取る」ではない

カイロプラクティックの本来の目的は、イネイトインテリジェンスが最大限に発揮される状態を取り戻すことです。痛みが和らぐのは、その結果として現れる副産物に過ぎません。

薬を扱うプロフェッショナルであるCさんが、5年という時間をかけて「今が一番元気」と笑顔で語れるようになる。しかもその変化は、身体だけにとどまりませんでした。心が安定し、自分と向き合えるようになり、「やりたいこと」に向かうエネルギーが育っていったのです。

Cさんにとってカイロプラクティックは、いつのまにか「痛みを治す場所」から、「未知なる自分の可能性に制限をかけない場所」へと変わっていました。その人が本来持っている力が、この世界でより自由に表現されていく——その入り口に立ち会えたことを、私自身もとても嬉しく思っています。

Cさんご自身の言葉でつづった体験談も、あわせてご覧ください。
→「『今が一番元気』薬剤師の私が、カイロプラクティックで人生が変わった話

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※ 本ページの内容はご本人の体験と感想、ならびに施術者の考察に基づくものです。お身体の変化には個人差があり、特定の症状の治癒や効果を保証するものではありません。また、現在お薬を服用中の方は、自己判断で中止・減量せず、必ず処方医・薬剤師にご相談ください。