5年間続いためまいと、身体が本来持っているチカラ——Hさん(50代女性・医療従事者)の記録

長年、めまいのお薬を続けながら過ごしてこられた方の記録を、ご本人の許可のもとご紹介します。

Hさんが来られた頃

Hさんは50代の医療従事者の方です。5年間、めまいのお薬を続けながら日々を過ごしてこられました。それに加えて、3年ほど続く腰の痛み、そして幼少期からのアトピー。医療の現場でご自身も身体を診てこられた方が、ご自分の身体のことで長く悩んでこられた——そんな背景をお持ちでした。

めまいでふらついている

初めて来られた日

今年2月、Hさんは当オフィスに初めて来てくださいました。カイロプラクティックを受けられるのも、そのときが初めてでした。

初めてHさんの身体に触れさせていただいたとき、私に強く伝わってきたことがありました。

私たちは誰もが、役割・立場・環境・育ちの中で、ある程度の固定概念とともに生きています。それは悪いことではありません。私は、その始まりは優しさや寄り添う気持ち、誰かに尽くす心にあるのだと思います。それがだんだんとバランスを崩し、本来のご自身の中心がブレてしまうことは、誰にでもあることです。

そうして育っていった固定概念は、知らず知らずのうちに、ご自身の真の性質を静かに閉じ込める要素にもなっていきます。それが身体に映し出され、エネルギーの循環をゆるやかに滞らせ、時とともに、さまざまな不調として姿を現してくる——そんなふうに感じることがあります。

医療の現場で日々身体と向き合ってこられたHさんが、ご自身の身体のことを長く抱えてこられた——その背景にも、そうした重なりが感じられました。

長年抱えてこられた症状の一つひとつは、バラバラの故障ではなく、心と身体のつながりの上に描かれたひとつのパターンとして見えたのです。そして同時に、そのパターンをほどいていくチカラが、Hさんの中に今そのまま豊かに働いている——それが、手のひらからはっきりと感じられました。

私はそのことを、Hさんにお伝えしました。

「アナタの中に素晴らしいチカラがすでに備わっています。最大限に表現されるようにお手伝いします。ゆっくり楽しみにしていて」と。

その後の経過

初回のアジャストメントののち、Hさんのめまいが姿を現すことはなくなりました。5年間続いていためまいでした。

2回目からは、栄養についてのお話や、視力の左右差から来ている姿勢のパターンをやわらげるための、簡単なエクササイズなど、日々の生活の中で取り入れていただけることもお伝えしていきました。これはHさんに限らず、当オフィスに来てくださるみなさんにお話ししていることでもあります。身体全体のバランスは、アジャストメントルームだけで整うものではなく、日々の中で少しずつ育っていくものだからです。

Hさんは、それらを丁寧に、ご自分の暮らしの中に取り入れてくださいました。

その後、4月までのあいだにHさんは合わせて7回、当オフィスに来てくださいました。

そのあとのHさん

4月を最後に、Hさんは通われていません。

先ほど、Hさんからメールをいただきました。「あれからすっかり体調がよくて、何も起きていません」——2月からのあいだ、めまいが姿を現していないというお知らせです。5年間続いていためまいと、これまで並んでこられたことを思うと、その言葉の重みを、私は静かに受け取っています。

もちろん、めまいのことは主治医の先生と相談しながら歩んでこられた道です。ご本人が日々の生活の中で、身体の声を聴きながら整えてこられた時間でもあります。私がお伝えできたのは、その道のりのごく一部です。

私が思うこと

回復していくチカラは、誰の中でも、いつも働いています。

Hさんの中でも、5年の年月ずっと、そのチカラは絶えず働いていました。アジャストメントを通じて神経系への干渉が取り除かれ、精神と身体が上手くつながり直したとき、そのチカラが最大限に発揮されるようになった——それが、Hさんの身体に起きたことだと私は感じています。

私が治したのではありません。Hさんが、ご自分のチカラで歩んでこられた5年の続きを、身体と一緒に組み立て直された。医療従事者として日々身体と向き合っておられるHさんが、ご自身の身体に信頼を取り戻していかれたことは、私にとっても大切な学びでした。

症状がなくなってからのこと

Hさんのように、症状が落ち着いたところで一区切りにされる方もいらっしゃいます。それも、ひとつの選択です。

ただ、当オフィスのカイロプラクティックは、症状が出てから利用するものというより、一人ひとりに潜在するチカラが発揮される状態を保ち、ご機嫌で毎日を過ごす人生をサポートするものとして利用していただくことをおすすめしています。症状が教えてくれるのを待つのではなく、常にご自身の中に意識を向けていく。扉はいつでも開けて、お待ちしています。

検査を受けても異常なし、それでもめまいが続く方へ

Hさんのように、長くめまいと付き合ってこられた方は少なくありません。めまいが続くときのカイロプラクティックの考え方は、こちらのページでもご紹介しています。

つらい症状は、まず医療機関での検査と治療を第一に。そのうえで、「身体全体を見てもらいたい」という方は、一度ご相談ください。

※体調の変化には個人差があります。